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派遣業の許可とは?取得のための要件を解説

働き方改革によって、テレワークやダブルワークなど多様な働き方が推奨されるようになりました。派遣も多様な働き方の1つですが、派遣労働者として働く上で必要となる派遣会社はどのように設立すれば良いのでしょうか。 派遣会社を設立 […]

働き方改革によって、テレワークやダブルワークなど多様な働き方が推奨されるようになりました。派遣も多様な働き方の1つですが、派遣労働者として働く上で必要となる派遣会社はどのように設立すれば良いのでしょうか。

派遣会社を設立するためには、ただ会社を設立すれば良いわけではなく、一般労働者派遣事業の許可を受ける必要があります。当記事では、一般労働者派遣事業の許可要件について紹介していますので、派遣事業に興味のある方はぜひ参考にしてください。

 

 

労働者派遣とは

労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を当該雇用関係のもとに、かつ他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることいい、当該他人に対し、当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含みません。

出典:厚生労働省「労働者派遣とは」

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000102914.pdf

 

また、かつては、届出制の特定労働者派遣事業と許可制の一般労働者派遣事業の2つがありましたが、2015年の派遣法改正で、一般労働者派遣事業に一本化されました。

 

 

派遣禁止業務

労働者派遣は、全ての業務で認められるわけではなく、次のいずれかに該当する業務は、絶対的に労働者派遣が禁止されています。

 

・港湾運送業務

・建設業務

・警備業務

 

医師や看護師などが行う医療関連業務も原則として、労働者派遣を禁止されていますが、次の場合には例外的に労働者派遣が認められます。

・紹介予定派遣である場合

・法定の産前産後休業、育児休業、介護休業をする労働者の業務に派遣する場合

・一定の僻地または一定の病院に派遣する場合

 

 

一般労働者派遣事業の許可要件

一般労働者派遣事業は、ただ定められた書類を届け出れば許可されるわけではありません。許可される上でいくつかの要件があり、次から具体的な許可要件を紹介します。

 

 

派遣元事業主(法人の場合は役員を含む)

派遣元事業主は、次の要件を満たす必要があります。

 

専ら派遣を目的としないこと

労働者派遣は、臨時的・一時的な労働力供給システムであるため、グループ企業内のみでの労働者派遣や、特定の企業のみを対象をする労働者派遣を行ってはなりません。

 

雇用管理を適正に行うこと

労働保険や社会保険に適正に加入し、派遣労働者の福祉の増進を図るなど、派遣労働者の雇用管理を適正に行う能力があることが要求されます。また段階的かつ体系的な教育支援など、派遣労働者のキャリア形成を考慮した支援制度を設けることや、キャリアに関する相談窓口の設置なども必要です。

 

個人情報を適正に扱うこと

派遣労働者の個人情報を適正に管理し、秘密を守るために必要な措置が取られていることが必要です。また個人情報の取り扱いに関する苦情対応責任者の設置や、個人情報に関する職員の教育なども必要となります。

 

また、労働者派遣法や労働基準法、職業安定法や労働関係法令、刑法等に違反し、罰金以上の刑に処せされてから、5年を経過してないなど欠格事由に該当しないことも必要です。

参考:厚生労働省「欠格事由」

https://www.mhlw.go.jp/content/000738708.pdf

 

 

派遣元責任者

労働者派遣事業を行うためには、派遣元責任者を選任する必要があります。派遣元責任者は、派遣労働者からの苦情処理や派遣先との連絡調整、派遣元管理台帳の作成等を行うことを責務としており、事業所から派遣されている派遣労働者100人につき1名の選任が必要です。

 

派遣元責任者となるためには、次の要件を満たす必要があります。また未成年者や破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者など一定の欠格事由に該当する者は、派遣元責任者となることができません。

 

住所が一定しない等生活が不安定でないこと

派遣元責任者となるには、一定の住所を持ち生活が安定している必要があります。また他人の名義を使って許可を得ようとしてはならず、外国人であれば一定の居留資格を持っていなければなりません。

 

適正な雇用管理を行う上で支障のない健康状態であること

派遣元責任者は、雇用管理を行う上で、支障のない健康状態の者でなければならず、不当に他人の心身の自由を拘束するおそれがないことも必要です。

 

一定の雇用管理の経験があること

派遣元責任者は、成年到達後に3年以上の人事または労務などでの実務経験を持っていることが必要です。また3年以内に派遣元責任者講習を受けていることも必要となります。

 

 

この他に派遣元責任者が職務を行えない場合に、職務を行う職務代行者の選任も必要となります。

 

 

資産要件

一般労働者派遣事業の許可を受けるためには、一定の資産要件を満たす必要があり、具体的には次の要件を満たす必要があります。

 

純資産

繰延資産と営業権を除く、資産の総額から負債総額を控除した基準資産額が、2,000万円以上あることが必要です事業所数が複数ある場合は、2,000万円に事業所数を乗じた額が必要となります。

 

現金

事業資金として、自己名義の現金預金額が、1,500万円以上であることが必要です。事業所数が複数ある場合は、1,500万円に事業所数を乗じた額が必要となります。

 

負債比率

基準資産額が、負債総額の7分の1以上であることが必要です。

 

 

事業所要件

一般労働者派遣事業を行い得る適正な事業所と認められるためには、次のような一定の要件を満たす必要があります。

 

・風営法などで規制される風俗営業や、性風俗特殊営業等が密集するなど、事業の運営に好ましくない位置にないこと

・事業に使用し得る面積がおおむね20㎡以上あること

 

 

まとめ

一般労働者派遣事業の許可を受けるには、派遣元責任者の設置や資産要件、事業所要件などさまざまな要件を満たす必要があります。特に資産要件を満たすことは難しく、許可を受ける上で非常に高いハードルとなっています。

この記事では、資産要件をはじめ、許可を受けるための各要件について紹介していますので、記事を通して、知識を付けた上で許可申請に臨んでください。また行政書士や税理士、社会保険労務士といった専門家の力を借りることを考えてみても良いでしょう。

 

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