起業する際に注意しなければならないことがいくつもありますが、意外と見落とされているものとして「競合調査」や「立地調査」があります。 しかし、これらの調査をないがしろにすると出店先の競合が多かったり、強かったりする場合には […]
起業で失敗しないための競合調査や立地調査の方法とは?
起業する際に注意しなければならないことがいくつもありますが、意外と見落とされているものとして「競合調査」や「立地調査」があります。
しかし、これらの調査をないがしろにすると出店先の競合が多かったり、強かったりする場合には、ライバルに打ち勝つのは難しくなりますし、立地が悪ければ、そもそも顧客の流れをつかむことができません。
とくに「立地7割」といわれるように、立地が集客を左右する飲食店などでは、立地に失敗してしまうと、挽回できないほどのダメージとなってしまいます。
そこでこの記事では、起業後に失敗せず、融資で金融機関の評価を上げる役に立つ、競合や立地調査のポイントについて解説いたします。
起業で失敗しないための競合調査のポイント
「競合調査」とは、出店予定地にどれだけ競合企業がいるのかや、その強さがどれくらいなのかを調べるための調査のことをいいます。
競合だらけの激戦地にあえて出店するという戦略もありますが、はじめての出店の場合には、できるだけ競合の多いところは避けた方が無難といえます。
また、競合の度合いは融資の事業計画書でも求められる項目のため、説得力のある計画を作る上では欠かせないものとなります。
商圏調査
まずは、出店予定地を中心とし、そこからどのくらいの広さを商圏とするかを決定します。
商圏の範囲は業種や事業の規模により異なるため、自分の状況やサイズに合わせて決める必要がありますか、徒歩の方をメインのターゲットとする場合ならば、出店予定地を中心とした半径300~500m程度が妥当でしょう。
次にその商圏における競合の状況を調査することとなりますが、その際には以下の項目について調査しておくと、しっかりとした予測を立てやすくなります。
・ 競合の位置や数、強さ
(その他)
・ 電車の駅や道路といったインフラの状況
・ 主要施設の乗降客数
・ その地域のおよその世帯数、人口比、年齢層、男女の別
・ デパートやショッピングモールといった集客施設の状況
その他の情報は、鉄道会社のHPや国勢調査 都道府県・市区町村別統計表、各市町村のHPなどを見れば対象エリアのデータを取得することができます。
また、これらの調査をすることでおよその顧客数やその構成を予測することができるため、事業計画書で売上げや販売計画を立てるときのベースとすることができます。
なお、商圏調査には「jSTAT MAP」が便利です。
「jSTAT MAP」は、総務省統計局のWEBサイトである政府統計の総合窓口「e-Stat」から、各種統計データをダウンロードするものです。地域ごとに地図と各種統計データが重ねて表示されるため、エリアの居住者の状況を可視化することができます。
競合調査
費用をかけずに競合調査をするには、次の2つの方法があります。
① iタウンページなどを使っておよその範囲内で競合先を調べる。
② 対象範囲を実際に踏査して調べる
①のiタウンページは、これによりすべての競合先を調べられるわけではありませんが、ある程度の数を見つけることができるため、一次的な絞り込みに役立ちます。
次に、住宅地図へ商圏範囲にあわせた同心円を記入します。
そして、これにもとづいて対象範囲を実際に踏査し、漏れている競合店を追加で書き込み地図を完成させます。
最後に競合店の商号や住所からその規模やその他の情報をインターネットで調べ、競合の強さにあわせてランク付けをします。
実際の調査の際には、建物ごとに入居している店舗を見て行く必要がありますが、あまり広くない範囲であれば半日~1日程度で行うことができます。
起業で失敗しないための立地調査のポイント
立地調査というと専門家でなければできないイメージがありますが、自分でもそれなりのことをすることは可能です。主なポイントは次の通りです。
立地調査のポイント ※飲食店の場合
〇 最寄りの集客施設(駅やデパートなど)から自店までの人の流れ(導線)
〇 店舗のデザイン
〇 周辺地域の住人の状況(およその職種や所得など)
〇 昼・夜、平日と土日での環境の違い
上記の項目について、自分なりに評価の基準を作って確認していきますが、これらの項目の中でとくに重要なのが「人の流れ(導線)」の有無です。
人の導線については、駅などの最も人の集まる施設から自分の店舗まで歩いてみて、どれくらい人の流れが少なくなるのか、他の人はどちらに向かって歩いているのかなどをチェックすることでおよその見当をつけることができます。
簡単な確認方法としては、この結果を住宅地図に落とし込むというやり方があります。
住宅地図に最寄りの駅や商業施設からの人の流れが多い通りを赤で、次に多い通りを緑でというように、人の流れの多い順に色を変えて通りを塗りつぶしていけば、視覚的に人の流れを把握することが可能となります。
なお、立地調査については、いっそのこと専門家に任せてしまうというのもありです。
多少費用はかかりますが、10~20万円程度でできますので、立地に不安がある場合にはぜひ検討してもらいたい選択肢の一つです。
とくに1,000万円以上の費用をかけて開業する場合は、立地に失敗すると取り返しがつかなくなりますので、一種の保険と思って調査を受けておいた方がよいでしょう。
また、飲食店を開業する方には、「家賃が手ごろだったから」とか、「外見が自分のイメージに合っていたから」などといった理由でテナントを選んでしまう傾向が強いといえますが、このような選び方をすると後々、必ず後悔することになりますのでシッカリと調査をしておくことをおすすめします。
まとめ
起業で失敗しないための競合調査や立地調査の方法について解説しました。ビジネスには勢いも大事ですが、勢いだけだと失敗する可能性が高まってしまいます。しっかりと準備をしてから起業をするようにしましょう!
こちらの記事もぜひ参考にしてください。
(関連記事)起業が失敗する原因とは?