会社設立BLOG

会社設立には必須!定款の記載事項について紹介

株式会社などを設立するには、必要書類を揃えて会社設立登記を申請する必要があります。この記事では、必要書類の中でも会社設立に必須の定款と呼ばれる書類について、記載する事項ごとの内容を紹介しています。個人事業主からの法人成り […]

株式会社などを設立するには、必要書類を揃えて会社設立登記を申請する必要があります。この記事では、必要書類の中でも会社設立に必須の定款と呼ばれる書類について、記載する事項ごとの内容を紹介しています。個人事業主からの法人成りを考えている方や、新規事業として会社を設立したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

定款とは

定款とは、発起人全員の同意により作成された会社組織や会社運営に関する根本規則を定めた書類です。定款は、会社設立の際に作成が義務付けられており、根本原則を記したものであることから、会社の憲法と呼ばれることもあります。

 

また、会社設立時に作成された定款は、原始定款と呼ばれ、会社設立後に株主総会の決議によって変更された現行定款として区別されます。就業上遵守すべき規律を定めた就業規則も定款と同じように、会社の憲法と呼ばれることがありますが、就業規則は常時10人以上の従業員を雇用していない場合には、作成義務がない点で定款と異なります。

 

 

株式会社を設立する際の定款の記載事項

定款の記載事項には、会社の名称である商号や会社所在地といった絶対に記載しなければならない絶対的記載事項と、現物出資や財産引き受けなど記載しなければ効果が生じない相対的記載事項に加えて、会社が任意で定めた事項を記載する任意的記載事項の3種類があります。

 

 

絶対的記載事項

 

会社法により、定款への記載が義務付けられている絶対的記載事項には、次のものがあります。また絶対的記載事項が記載されていない定款は、効力が認められないため、注意が必要です。

 

目的

製造業や飲食業など会社が行う事業内容を記載し、設立後に変更する場合には定款変更の手続きが必要となります。

 

商号

会社の名称である商号を記載し、設立後に変更する場合には定款変更の手続きが必要となります。

おすすめ関連記事)会社名(商号)の正しい決め方はある?アイデアやルールを公開

 

本店の所在地

会社の本店所在地と定めた住所を記載します。本店所在地として市区町村までしか記載していないのであれば、同一市区町村内の本店移転では定款変更の手続きは不要となります。しかし具体的な住所地まで記載されていれば、移転の度に定款変更の手続きが必要となります。

(おすすめ関連記事)会社設立時に決める本店所在地とは?決めるときの注意点など

 

設立に際して出資される財産の価額又はその最低額

設立に際して発起人が出資する財産の価額又は、出資する財産の最低額を記載します。

現在は最低資本金制度が廃止されているため、どのような額を記載しても問題ありません。

 

発起人の氏名又は名称及び住所

発起人の氏名住所を記載します。発起人が法人である場合には、法人の名称と所在地を記載することになります。

 

発行可能株式総数

設立に際して、発行可能とした株式の総数を記載します。定款の変更をしない限り、発行可能株式総数として記載された数以上の株式を発行することはできません。

 

 

相対的記載事項

相対的記載事項は、絶対的記載事項とは異なり、定款への記載がなくても定款自体は有効なものとして扱われます。しかし効力を発生させるためには、定款への記載が必要となり、代表的な例としては次のようなものがあります。

 

変態設立事項

現物出資、財産引受、発起人が受ける報酬、会社が負担する設立費用など、発起人が自己又は第三者の利益を図って、会社の財産的基盤を危うくする恐れのある事項を変態設立事項と呼びます。変態設立事項は、定款に記載した上で、裁判所が選任した検査役の検査を受けなければ、効力を生じません。

 

株式の譲渡制限に関する事項

会社が発行する株式は、自由に譲渡することができるのが原則です。しかし取締役会や株主総会の承認を譲渡の条件とすることも可能となっており、譲渡制限を定めた場合は、相対的記載事項として定款への記載が必要となります。

 

監査役や会計参与など会社の機関に関する事項

取締役と株主総会は、株式会社において必ず設置が必要な機関となっていますが、監査役や会計参与などの機関は設置が任意となっています。そのため、監査役や会計参与などの設置を定めた場合は、会社の機関として有効なものとするために、定款への記載が必要となります。

 

 

任意的記載事項

絶対的記載事項と相対的記載事項の他に、会社が定めた事項が任意的記載事項となり、代表的な例としては、次のようなものがあります。

 

株主総会に関する事項

定時株主総会の招集時期や招集者、総会の議長などについて定めた場合に、記載することになります。

 

役員の員数

会社法において、取締役など役員の員数については上限がなく、1名以上設置すれば良いことになっています。そのため、具体的に会社に設置する役員の員数を定めた場合には、任意的記載事項として記載することが必要となります。

 

公告の方法

会社には、合併や資本金の減少など一定の場合には、公告を行う義務があります。公告の方法を定めない場合には、自動的に官報によって公告を行うことになりますが、日刊新聞紙での広告など任意の方法を選択することも可能であり、任意の公告方法を定めた場合には定款への記載が必要となります。

 

 

まとめ

定款は、会社を設立する際に必ず作成しなければならない重要な書類であり、記載内容を欠くなど不備があれば、効力自体を否定されてしまいます。そのため、作成の際には絶対的記載事項に見落としはないか、効力を生じさせたい相対的記載事項や任意的記載事項はしっかりと記載されているか確認することが必要です。

しかし、定款の記載内容は専門的であり、会社の根本に関わる事項を定めることもあって、作成のハードルは非常に高いものになっています。もし自分で作成するのが難しいと感じた場合は、行政書士や司法書士といった専門家に相談することを考えても良いでしょう。

 

無料相談お問い合せ