オーダーメイド絵本のギフトサービス「シカケテガミ」を展開する株式会社ネイチャーオブシングス。その代表取締役 濱本智己様が起業したきっかけは、自身に新しい家族が増えたこと、そして「家族」をライフワークにしたいと考えたことで […]
【会社設立インタビュー】株式会社ネイチャーオブシングス様
オーダーメイド絵本のギフトサービス「シカケテガミ」を展開する株式会社ネイチャーオブシングス。その代表取締役 濱本智己様が起業したきっかけは、自身に新しい家族が増えたこと、そして「家族」をライフワークにしたいと考えたことでした。
創業から今年で2年。当時を振り返り、会社設立時の苦労や、税理士との関わり方、今後の展望などについてお話を伺いました。
Q:会社の事業内容について教えてください。
当社は2021年3月に設立しました。
大切な人に、感謝と愛情の気持を一冊の絵本にして届けるレターギフトサービス「シカケテガミ」という、オンライン型のECサービスを展開しています。
イラストやストーリー設定、伝えたいメッセージ等を選択/入力するだけで、「自分」が主人公のかわいい1冊の絵本の手紙ができあります。
コンセプトは「いい大人のためのラブレター」。
近しい相手ほど、改まって自分の気持ちを伝えるのは難しいこともあるでしょう。特に男性なら尚更難しいのではないでしょうか。
自身に子が誕生したときに、妻に感謝の気持ちを伝えたかったが、うまく伝えることができませんでした。自分自身が欲しいと思っていたがどこにもなかったので、起業してサービスを立ち上げることにしました。
事業開始間もなくからテレビやインターネットメディアで取り上げられ話題となり、その反響の大きさには自分自身が一番驚きました。
Q:会社設立後、事業計画書は作成されましたか?
会社設立後は日本政策金融公庫から創業融資を受けることにしました。日本政策金融公庫向けに事業計画書を作成しましたが、みんなの会計事務所でサポートしてもらいながら進めたことでスムーズにいきました。
事業計画書とはその事業が目指す夢や目標を書き出したもののことなので、実は、私にとってあまり難しくありませんでした。
Q:会社設立後、融資や資金繰りで苦労した点はありますか?
ビジネスを立ち上げる時はもちろん、それを大きくし、さらに継続していくために人もお金も両方必要です。
会社を走らせるためには、会社の状況も客観的に把握しなければならないし、資金繰りにおいてはいかに先手を打てるかを考えないといけません。
しかし、自分は経営者なので、日々業務を回すことで手がいっぱいで、すべてを自分でやることは不可能です。
私の場合は、事業計画書は準備できましたし、顧問税理士から創業融資申請にあたってのサポートを受けることもできたので、融資を受けるまでの苦労はそれほどなく、希望額の融資を受けることができました。
その後も、顧問税理士と資金繰りについては都度相談し、新サービス立ち上げにあたって必要な運転資金を確保すべく、追加融資を受けています。
Q:会社設立後、社会保険関係の手続きで苦労した点などはありますか?
会社設立後や税金や資金繰りのことを考えるだけでも大変なのに、そこへもってきて社会保険関係となると、正直、いまだによくわかっていません。
私の場合は、わからないことがあれば顧問税理士に相談し、融資においても社会保険関係においても、都度アドバイスをもらうなどサポートしてもらっているお陰で、日々乗り切っていけています。
Q:会社設立前にどのような準備をしていましたか?
会社設立前にたくさんの準備をできるに越したことはないでしょうが、準備万端にできる人はごく限られているのではないでしょうか。
強いて言うなら、税理士でも弁護士でも、自分が信頼し、すぐに相談できる人を見つけておくこと。専門的知見や理解を持ち合わせている人を盟友につけておくことが大切だと感じています。
ゼロから百まですべてを自分一人で行うことはできません。会社設立後、自分が会社経営をしていくにあたって、サポートし味方になってくれる人は誰なのかをしっかりと見極め、繋いでおくのがよいでしょう。
Q:会社設立後、顧問税理士を付けるメリットはありましたか?
税務に関して私は素人なので、どの範疇までを自分でやるべきで、どこからが相談すべきか、そもそも判断がつかないことだらけ。まさにわからないことがわからないという状況です。本来は自ら調べるべきこともあるとは思うし、そうした方がよいとは思うが、この調べる時間にこそ時間がとられてしまいます。事業を進める上で、時間は大事です。
私の場合は、顧問税理士をしっかりと頼ることで、いろいろなことが最短・最速で解決しています。だからいつも、ほんの些細な事でも、ちょくちょく問い合わせを入れるようにしています。いつも淡々と、的確な答えをもらうことができて、とても満足しています。
弊所は本社が東京にあり、みんなの会計事務所は大阪が拠点ということもあり、普段のやり取りはメールが中心ですが、レスポンスが早くて助かっています。
加えて2~3か月に一度、Web面談などで互いの情報をキャッチアップしていますが、実はこの距離感がかえって丁度よいと感じています。次に会う時までに、何を決め、何を相談するかを考える時間的余裕があります。東京と大阪で距離が離れていて困るようなことは今までに一度もありません。
私とっての顧問税理士は、ファイナンスパートナー、会社の参謀という位置付けです。
よい税理士をパートナーとして選ぶことは、会社経営にとって非常に大事だとつくづく痛感しています。
Q:今後の事業展開について教えてください。
今、N:1で贈れる新しいレターギフトサービスを準備しています。もちろんこちらのサービスも仕掛けがたっぷりあります。
現行の「シカケテガミ」は、記念日や人生の節目に主な需要があるため、リピーターを獲得しづらく、単価設定もこれ以上は難しいという課題がありました。
より気軽な利用シーンを想定することでグループ「みんな」が参加がしやすくなり、会社の送別会や部活の壮行会など、ブライダルシーン以外で幅広い需要を見込むことができます。
海外での展開も視野に入れ、利用者のすそ野をどんどん広げていきたいと考えています。
あとがき
濱本さんは東京でお仕事をされているため、今回のインタビューはZOOMで行いました。インタビューは1時間以上に及びましたが、その大半は濱本さんが「これを仕事にしよう」と思ったきっかけやいきさつについてでした。おっとりとした口調の中にも、仕事に対する情熱はしっかりと伝わって来ました。同社が提供するサービスには、濱本さんの夢や思いがたくさん詰まっていて、起業は「儲かるか儲からないか」という判断だけではできないと、改めて教えられた気がします。
これからも濱本様が事業に専念し、新たな目標へ向かってまい進していただけるよう、私たちもしっかりとサポートさせていただきたいと思います。